・重さ　約61.7㌘・全長　約73.8㌢・バランス点　フェルールから19㌢あたりコレクションとしても演奏においても大活躍が期待できるフレンチオールドボウです。フロッグとボタンは故障が見られたため別のものに替えていますがもともと装備されていたそれらやスティックの作風から19世紀後半のフレンチボウに間違いありません。入手時に確認していますし、当弓とセットで入手し多くの共通点をもつ別の弓は権威ある鑑定家からフレンチボウとの判定を受けています。詳しい方でしたらピンと来られたかもしれませんが、高さがありシャンファーに丸みを帯びたヘッド形状、ししゃも型と形容される弓先に向けてぷっくり膨らみを持ったスティックはJ..Voirinの作風を想起させますし実際にTarisio 等に掲載される作品と見比べると大いに感じるものがあるでしょう。それはさておき、あくまでも実用性優先で「使える素晴らしいバイオリン弓」として紹介させて頂きます。弓ごとに個性ある中でも当弓の持つ弾き心地はとくに独特と感じ、出会った弓の中でも最も音量を引き出します。感覚的に、材料の詰まった感じを喩えることができるなら、そこそこの弓が竹刀であるなら当弓は'真剣'かも知れません。スティックが強く、重いです。鈍くしなります。非常に質量の大きな材料の為重みを感じるのですが操作時デメリットを感じるどころか非常にコントロールしやすいのは絶妙なバランスの賜物でしょう。硬いだけ、重いだけ、とは異なり、うまく説明ができませんがつよさと粘りを同居させて、アタックの加減に応じて受け止めるバネ？クッション？を持っているので自由に操作をさせてくれる感があります。絶妙な抜け感と遊びとでも言えましょうか…。安定感もあります。弓毛は延べ10時間も弾いていないので引っ掛かりはしっかりあります。半年ほど前に張ったものです。折れなし、古い弓のため微かに曲がりがありますが演奏に影響は感じません。弓肌に積もった長年の垢汚れはどうしても完全に除き切れずにいますが、これも一つの年輪と捉えていただけるようでしたら是非ご検討になって下さいませ。フロッグとボタンはオリジナルのものも保管していますので、ご希望があれば一緒にお渡しします。ボタンはスクリューの部分が抜けてしまうのですがきちんと固定できれば使えます。