グラフレックス社の4x5判カメラ、スピードグラフィックからFPシャッターを取り除くことで薄型・軽量化したクラウングラフィックです。本機は、トップにレンジファインダーを配したスピグラ・クラウングラフィックの最終型となります。（以降はスーパーグラフィック）レンズは、このカメラの標準レンズと思われるコダックを代表するレンズであるエクター127mm/F4.7が付いています。通常、このレンズのシャッターにはKodakのSupermaticが付いていることが多いのですが、こちらはより個人的には信頼の置けるSynchro Compurが付いています。ハッセルやローライでも採用されていたシャッターとなります。小型のレンズですので、レンズをつけたまま前蓋を閉じることができます。ボディ側シャッターと連動しており、レンズ側でチャージした後、ボディシャッターでシャッターを切ることができます。レンズは、使用に伴う微小な汚れの付着や小傷程度はあるかと思いますが、カビやクモリもなく、クリアです。シャッターはT、B、1s〜1/400sまで全速それなりの速度で切れています。バックは4x5判カメラの標準規格であるグラフロックバックです。ピングラ部が着脱できないスプリングバックではないので、4x5判シートフィルムホルダーだけでなく、ロールフィルホルダーやポラロイド用ホルダーを使うことができます。ピントグラスは、フレネルレンズとの2枚重ねになっています。フォーカシングフードは勢いよく立ち上がり、収納も問題ありません。前蓋の開閉、ロック等正常です。蛇腹は合成樹脂製の丈夫なものになっており、状態は良好です。レンジファインダーは機能していますが、レンジファインダーでピント合わせして撮影したことはないので、精度まではわかりません。無限遠で二重像が一致していると思います。一通り動作確認しましたが、特に気になる点はありません。しいて言えば、左手側のストラップがありませんので、必要なら革やナイロンベルトなどで作成するとよいかと思います。本体/レンズともに軽量ですので、ストラップがなくても持ち運びになんら問題ありません。軽量で丈夫なため、バッグに放り込んでの持ち運びに便利です。手軽に4x5判カメラを使ってみたい方、いかがでしょうか。